昭和75年12月1日(金)

みんなどうも落ち着かないのか、朝からパタパタと掃除を始める。
おれもつられて、洗濯。しかし、やはり疲れが出たのか、その後全員で昼寝。なんだかノンキな休日のようである。
昼寝の後、面会へ病院に向かう。
ICUの面会は、日に三回、しかも一回30分、さらには患者一人に対して一人しか逢えない。だから、面会といっても、正味3分くらいしか母には逢えない。それでも、顔を見ると見ないとでは、安心度が全然違う。何もしてあげられないのだが。
母の様態は変わらず。ぐっすり寝ている。寝ている母に話しかける。すると、うっすらと目を開けたのだ。なんだか寝ぼけているような感じではあるが、話は聞こえているようだ。
「ゆっくり寝てろよ。これは強制的な休みだからね」
と励ましてるんだかなんだかわからないことを語りかける。完全ではないが、コミュニケーションがとれたのはうれしい。